4月になり、新卒で社会に出る方の門出の時期になりました。
皆さん、おめでとうございます。
就職して、お給料を貰う事で「稼ぐ」事に目覚める人も多いと思います。
因みに、厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」によると業種別で最も初任給が高いのは学術研究・専門・技術・サービス業で220,700円であり、最も初任給の低い複合サービス業の173,100円と比べ、47,600円高くなっているそうです。年収では概ね200~300万円位でしょうか。
ところで、皆さんはサラリーマンの稼ぎって実際の所どのくらい目指せると思いますか?
勿論上を見たら切りは無いですし、下を見ても切りが無い世界ではあります。
しかし私は経験上、そして自分の職業観としても一つの目安を持っています。
サラリーマンが努力して普通に稼げる年収は800万円!、それ以上は「運」
「年収800万円」について考察してみました
目次
サラリーマンの年収800万円
年収800万円の位置づけ(平均値から)
世ラリーマンの平均年収は、国税庁の民間給与実態統計調査(令和元年)によると436万4000円です。日本経済団体連合会(経団連)の調査だと平均年収は約663万2000円、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和2年)だと平均年収は459万8000円となります。
以下は国税庁発表の「平成30年分民間給料実態統計調査」による年代別の平均年収です。
平成30年の年代別平均年収
年齢 | 平均年収 男女計 | 平均年収 男性 | 平均年収 女性 |
全体平均 | 441万円 | 545万円 | 293万円 |
20〜24歳 | 267万円 | 284万円 | 249万円 |
25〜29歳 | 370万円 | 404万円 | 326万円 |
30〜34歳 | 410万円 | 470万円 | 315万円 |
35〜39歳 | 448万円 | 528万円 | 314万円 |
40〜44歳 | 476万円 | 581万円 | 319万円 |
45〜49歳 | 502万円 | 635万円 | 313万円 |
50〜54歳 | 529万円 | 682万円 | 322万円 |
55〜59歳 | 520万円 | 686万円 | 298万円 |
60〜64歳 | 416万円 | 537万円 | 242万円 |
全体平均では平均年収441万円、男性が545万円、女性が293万円になっています。
ところで、こちらは「平均給与」ですが、皆さん「中央値」という言葉はご存じですか?
年収800万円の位置づけ(中央値から)
おなじ「平成30年分民間給料実態統計調査」に基づく給与の分布図はlivedoorニュースによると以下のようになっています。
中央値で確認すると一番多い層は『300万円以上400万円未満』です。
さらに分析するとこうなります。「平均値」とはかなり印象が変わりますね
- 年収300万円以下は全体の37%
- 年収400万円以下は全体の54%
- 年収500万円以下は全体の69%
年収800万円の位置づけ(転職市場から)
求人転職サイト「TYPE 転職エージェント」の記事によると、年収800万円以上は「ハイクラス転職」として一線を画すようです。
明確な言葉の定義はありませんが、転職市場では一般的に年収800万円以上の求人を「ハイクラス求人」と呼ぶことが多いです。その多くは管理職・専門職の求人で、年齢層も30代や40代のミドル世代が中心です。マネジメント経験者や高い専門性を持った人が対象となります。
https://type.career-agent.jp/knowhow/high_class.html
ちょっと強引かもしれませんが、「マネジメント経験者や高い専門性」といった特別なスキルが無くても狙えるかどうかの境界線が「年収800万円」にあると言えるのかもしれません。
年収800万円の位置づけ(実体験)
TwitterやYouTuber、ネット掲示板なんかを見ていると年収数千万円超えの高所得者ばかりで、自分の不甲斐なさにウンザリしてしまうのですが冷静に統計を眺めてみれば年収800万円は、上位14%に入れるトッププレイヤーである事は間違い無いでしょう。
平均でも無く、かといって限界突破したネット界隈の猛者でも無く、私が「年収800万円」を意識するのは若い頃の取引先の方との会話がとても印象に残ったからでした。
昔、某外資系金融機関ゴー●●マン・サッ●ス(以下、GS)の方と働いた事があったのですが、彼からこんな一言がありました。
「年収800万円以上は運ですからね」
彼曰く、一定以上の給料を稼ぐには、①そもそもの業界の給与水準、②更にそのタイミングでの好不況、③社内での出世スピード、という様々な要素があるとのこと。ただし、この中には、実力だけでは手に入らない運に頼る要素も多分にあるとのことでした。
逆に、運の要素を頼らずに、堅実に目指せる水準は「800万円」という事でした。
彼は、某GSを退職して起業するタイミングだったそうです。
恐らく現職でも数千万円の給料を稼いでいるはずの彼の口から出た「800万円」という数字に重みを感じました。
某GSのようなアグレッシブな業界にいる人のイメージって寧ろ「実力次第で売り上げは青天井」みたいな人ばかりかと思っていたので、逆に運の要素を排除して努力や実力で到達できる水準が1000万円にも満たないっという考察は非常に印象に残り、今でも私のベンチマークになっています。
年収800万円を目指す意義
「年収800万円」はサラリーマンとしては、十分上位の年収である事、加えて運の良し悪しに関わらずに”狙える”レベルの最大値であるというのが私の印象です。
多様な生き方が模索される世の中であり、お金の稼ぎ方も人それぞれ。
その意味で、”会社員”を一つの入金ツールとして捉えた場合、せっかく会社員という道を選んだのなら、現実的に狙える目標として「800万円」は是非目指して欲しいというのが、私の意見です。
その上で、専門性をつける事でサラリーマンとしての収入力を上げて年収1000万円を目指す、副業を行う事で+αの収入を得る、逆にワークライフバランスを重視して「800万円」をキープする生き方を選ぶ(それ以上を目指すとワークライフバランスを犠牲にする”平均以上”の努力が求められるから?)、そんな「次のステップ」を考える基準として私は「800万円」という数字を意識しています。
年収800万円を狙うには?
会社によって全く異なる給与体系
例えば一部上場企業にお勤めの方であれば、自然体でお仕事をされていれば若い内に、800万円は達成できるかもしれません。
一方で、私が金融機関の営業マン時代、融資審査の為にお預かりした決算報告書で、相対しているお客様の財務担当役員の報酬が年収700万円である事を見たりもしました。
それ以外の収入が合ったのかもしれませんが、目の前の60歳目前のベテラン、且つ中小企業とは言え役員待遇でもその程度なんだな、というのは私に衝撃的でした。
何故なら、当時私は30歳前後そこそであるにも関わらず彼の年収と大差ないだけのお給料を貰っていたのです。
その時私は、「同じ時間働いても環境によって得られる収入は全然違うんだな」、という事を実感しましたのを覚えています。
稼げる環境(業界)を探してみる
下表は業種別と年齢別の年収です。たとえば、製造業に勤務している39歳の人の場合、業種「製造業」、年齢「35~39歳」が交差するところを見ます。4561(千円)という数字が平均年収となります
業種別・年齢別平均年収(出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2019年)」を基に作成)
同じ年齢層(35~39歳)の全業種平均は462万6000円ですので、製造業の平均年収は、同年齢層の全業種平均より約6万円低いということになります。
一方で、35~39歳で最も高い給与は「学術研究、専門・技術、サービス業」の604万円、次いで「金融業・保険業」の602万円となり、平均値との差は約150万円程度になります。
勿論、仕事の得意・不得意や好き嫌いもありますが、収入的側面だけ見るなら「稼ぎやすい業種」、「稼ぐのが難しい業種」があると言うことは頭の片隅に置いておいても良いかもしれません。
もし貴方が、「お金を稼ぎたい」という強い気持ちがあるなら、好き嫌いの壁を越えて「稼ぎやすい」業種に早い段階からシフトするのが実は最も簡単な手段かもしれないからです。
転職で業界をチェンジ!
とはいえ、新卒で入社した場合、そこから完全に業界を変わる事って難しいとお思いかもしれません。
新卒の時は社会の事とかよく分かっていないので、身近な仕事や、イメージ先行で「やりたい仕事」を選ぶことはごく自然な流れかと思います。
しかし、実際に社会に出て見聞が広がったり、現実的な生活の問題から働く事の重点が「お金」になる事もあり得る事だと思います。
そう思った時、もし今いる場所(業界)が稼ぎにくい業界だったら、思い切って稼ぎやすい業界に転職するのも良いかと思います。
「経験が無くても」業界を変わるなんてできるのか?そんな不安を感じているかもしれませんが、そんなときはプロの転職エージェントに相談するのが1番です。
まずは、行動しないことには始まりません。「年収800万円までは誰でもチャンスがある!」根拠はあるような、無いような、話ではありますが私はそう信じています。
興味のある方は是非チャレンジしてみて下さい!
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