採用面接で、「あなたの強みを教えてください」と聞かれることが多々ありますが、その答え方には迷うものです。
実際に転職を考えているものの、面接でアピールできる「強み」が無いという方もいるのではないでしょうか?
こんな時、会計士、弁護士、MBA、TOEIC990点といった分かりやすい資格ホルダー、バリバリのエリートサラリーマンで、「大きなプロジェクトのリーダーに抜擢された」、「営業トップで社長賞を獲得した」、「新規事業を立ち上げた」といったエピソードトークを持っている人なんかは前のめりで「待ってました!」といった調子で語れるんでしょう。
しかし、私はサラリーマンとしては普通程度のスキルを持っているだけでそんな輝かしいエピソードはありません。以前は”自分の強み”を考える時に「せめて留学経験でもあれば良かったな、、、」と学生時代まで遡って後悔していました。
そんな私も何回も転職活動を繰り返し、その都度に何十社と面接を行ってきた経験の中で”普通の”サラリーマンでも面接で”刺さる”鉄板の回答を見いだしました。
汎用性もあると思うので、自分の強み、を探している方は参考にして頂ければ幸いです。
目次
企業が「強みを教えてください」と尋ねる理由
そもそも何故「あなたの強みは何ですか?」という質問があるのでしょうか?
例えば、資格や実績を聞きたいのであれば、職務経歴書を見れば分かりますよね。
私も転職初心者の頃は職務経歴書に書いたアピールポイントを暗唱するような回答をしていました。
ここで採用側の立場で考えてみます。敢えて、「あなたの強みは?」を聞いているのは、職務経歴書で確認できる事実では無く、「自社とマッチするか」「入社後に活躍してくれそうか」といった視点であなたのキャラクターを見ているのです。
職務経歴書で確認できることは書類選考の時に当然確認済みなので、面接に進めたということは、その事実を含めて総合点で先方の期待値に対して及第点は取っていると言う事で自信を持って良いと思います。
キャラクターを見るとはどういうことか。当然そのその会社には既に何十人、何百人の人が働いています。会社側は外部から新たな人材を取るときに既にいる社員と衝突するような性格の人、逆に控えめすぎて埋もれてしないかといった事を気にします。
他にも、プロパー社員の誰も持っていないスキルや役割の穴を埋めたり、引き上げ・活性化させるような「このような特性を持った人材が欲しい」といった、企業側のニーズと合致する人物を探しているパターンもあります。
そんな「キャラクター」をこの質問から見いだそうとしているのです。
誰でもできる「鉄板」回答
私の鉄板回答
「あなたの強みは?」という質問の回答は、キャラクター・人柄を相手に伝える事を念頭に考えれば良いわけです。
そこで、私の場合は、「強みはコツコツ仕事をする事です!」、と面接ではいつも答えています。
「え!?地味!」「ダサッ!!」と呆れられたかもしれませんがお待ち下さい。
コツコツ型=勤勉で淡々と仕事をするイメージ。
派手さの無い言葉で、寧ろできないサラリーマンのイメージすらあるかもしれません。。
しかし、実際私は面接でこのワードを使い、内定を勝ち取ってきました。
「コツコツと仕事をする」中年応募者ってどうですか?
真面目で善良な人な感じしませんか(笑)少なくとも採用しても害にならなさそうですよね。
しかし、それだけだとダタの「良い人」です。
ここから私が内定に繋げられたのは、並大抵の「コツコツ仕事をする人」では無く、採用するに値する得がたいレベルの「コツコツ仕事をする人」であり、私が「会社にとって役に立つ」、「プラスになる」と納得させた事がポイントなのです。
自分の鉄板回答の見つけ方
私が「コツコツ型」を強みにしようと思ったのは、年配の同僚からの一言がきっかけでした
そこは超ブラック企業でしたが、ファンドという業態から割と金融系特有のちょっとギラついた雰囲気の同僚が何人かいました。その同僚と比べれば私はどちらかというと大人しい性格で、自然とフロントでバリバリ交渉する・案件を取ってきて実績を上げるポジションではなく、資料作成、データ分析や事務処理といった裏方系の役割を務めることが多くなりました。
そんな時に年配の同僚から言われたのが「君はコツコツ仕事してくれて助かる。どこに行ってもやっていけるよ」という一言でした。まあ、褒め言葉ではありますが、その時は「コツコツ型」という当たり障りの無い褒め言葉で、逆に「ちょっと馬鹿にされているのかな」と、ひねくれた気持ちになったのも事実です。
しかし、その後、転職の面接対策で「自分の強み」を考えていた時にこの言葉を思い出したのでした。
これを言ってくれた年配の同僚は、元々は大手電力会社の技術部門でかなりの役職を務めた事もあるヒトカドの人物で、経験もスキルも有する上に相当頭の切れる人物でした。
「そんな人が自分如きにわざわざお世辞みたいな事を言うだろうか・・・?」
そう思った時に若しかしたら彼は本心から自分の「コツコツ型」の仕事スタイルに(、やっている事はただの裏方仕事ですが)、感謝し、価値を感じて言ってくれたのではないかと、と気づきました
(実際はタダのお世辞だったかもしれませんが、事実は分からないので「そう思おう」と決めました(笑))
考えてみれば、フロントで活躍する人には、支える裏方が必要なはずです。私の「コツコツ型」はどこに行っても通用するレベルの裏方ぶり、もしくは「一家に一台」的な便利さから「どこに行っても通用する」という評価をしてくれたんじゃないか、と思った時に、自分の仕事のスタイルとそれが生み出していた価値に気づくことができました。
強みは自分では気づきにくいものですが、上司や部下、得意先の担当者など、ビジネスの場で接する人は気づいていることが多く、何気なく言葉にしてもらっていることがあるはずです。私の場合は、年配の同僚でした。
「真面目」、「粘り強い」、「気が利く」、「芯が強い」、「柔軟」、「前向き」等々。
「営業成績●十億円」みたいな具体的な輝かしいトロフィーでは無いかもしれませんが、そんな周囲からの評価があなたの「鉄板」の強みかもしれません。
自分の鉄板の伝え方
さて、あなたの鉄板が見つかったら、次は面接官向けの伝え方、を考えます。
「私の強みはコツコツ仕事に取り組む姿勢です!」で終わったら、面接官は「具体的には?」となります。「コツコツ型」が私の強みである事を裏付ける具体的なストーリーを付け加えるのです。
“自分”の鉄板を見つけ、自分という人間性の軸が明確になれば、今まで仕事で経験してきたこと、人から感謝や評価された事の本質が理解でき、自然と強みについてのストーリーが組み立てられるようになってくると思います。
更に、その事を「同僚が、上司が、部下が言ってくれた」という事を付け加えられれば、強力な裏付けになります。
きっと面接官は、先方の会社のプロパー社員たちが、貴方が入社してくれた事に感謝している姿が思い浮かんでいるはずです。
これが面接官に”刺さる”トークとなるのです
最後は実践あるのみ
伝える時のテクニック
強みの裏付けとして、具体的なエピソードが役立ちます。その強みにつながる事例を、順序立てて話しましょう。「Situation(状況)」「Task(課題)」「Action(行動)」「Result(結果)」の順番で話すと、面接官に伝わりやすくなります。
最後は実践
私の場合は実際の面接を何回かこなす中でこのストーリーを話し、相手の反応を見ながら、内容をブラッシュアップしていく事で自分の鉄板トークを作り上げていきました
とはいえ、実際に転職を何回もして時間をかけてトークを作り上げていく、というのは現実的ではありませんので、今すぐ転職するかどうかは別として、定期的に転職エージェントを活用して、その時点での自分の強みを確認する事をお勧めします。
大切なのは、自分が強みだと思っている事を第三者に評価してもらい、必要な修正・脚色を随時行っていく事です。
その中で、もしかしたら、あなたの実力を活かせる求人を紹介してもらえるかもしれません。
そのようなチャンスがあれば、実際に転職面接を受けてみて実践でチャレンジしてみるのも良いと思います。
私は実際6回転職し、その都度何十社と面接に臨む事になります。
現実には、資格やトロフィー的な実績を抱えるスーパーサラリーマンの方が易々と内定をゲットしていくようにも見えますが、彼らと並みのサラリーマンはそもそも闘う土俵が違います。
普通のサラリーマンは、自身の日常的な仕事ぶりを強みとして、人生をかけて転職を勝ち取っていくのですから、その武器・強みを磨いて損は無いはずです。
いつか、人生をかけたるような転職に直面する事があるかもしれません。
その日のために自分の武器を磨く事はこれからのサラリーマンには必要だと私は思います。
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