退職#2 異業種転職。たった9ヶ月で退職した話

転職ストーリー
異業種転職

こんにちは。Tsukuruです
私は、社会人歴20年で6回転職し、出向を含めると10社以上の会社で働いてきたいわゆるジョブホッパーです。勿論一生一つの会社で勤める事ができればそれはとても素晴らしい事ですが、変化の激しい今の時代中々そうはいかない事もあります。また、転職でステップアップする事も昔よりはポジティヴに受け止められるようになったのではないでしょうか?
このブログでは、私の豊富(?)な転職経験を色々な切り口でお伝えできればと思っています。「何で会社辞めちゃったの?」、「転職して良かったの?悪かったの?」「ジョブホッパーなんて、この先どうするの?」等々、転職や今後のキャリアについてお悩みの方へ少しでもお役に立てる情報をお伝えできるのでは無いかと思っています。

目次

転職先を短期退職/失敗から学ぶ異業種転職

私も今では立派なジョブホッパーですが、1度や2度の転職は今時ならあたり前でしょうか?
私の2度目は意外にも早く訪れました。結論から言うと転職先の会社を9ヶ月で辞める事になりました。
これは明らかに転職先選びを失敗した訳ですが、私の場合、失敗のポイントは「異業種転職」にありました。

このブログを読まれている方で、異業種への転職を考えておられる方もおられるかもしれません。こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?
1) 異業種転職する魅力って何?
2) 異業種転職で失ったものは何?
3) 異業種転職を成功させるポイントは?

「異業種転職」を成功するか失敗に終わるかは個人の資質や異業種を選択した背景など個々人のバックグラウンドが大きいです。今回は反面教師として私の経験をお話しできればと思います。
そして、3つの疑問についても、あくまで私の経験からですがお答えさせて頂ければと思っております。

1) 異業種転職する魅力って何?
  →長い社会人生活。新しいトレンドに乗ることも必要!
2) 異業種転職で失ったものは何?
  →過去に積み上げたものが無価値に。これまで頑張った人ほど喪失感は大きいかも・・・
3) 異業種転職を成功させるポイントは?
  →自分のこれまでの頑張りを活かせる事って結構大事

2社目について

職業:ITベンチャー。企業向け会計ソフトの開発及び販売。
   多言語対応により海外子会社との連結会計とIT化の促進をコンサル
在籍期間:9ヶ月 業務内容:コンサルティング営業 年収450万円位

入社理由
 ・当時勢いがあった新興国向けに市場開拓を積極的に行うビジネスモデルに共感
  新興国ビジネスの分野にチャレンジし、キャリアアップを狙っていた

辞めた理由
 ・業績不振
 ・異業種転職がつらかった

入社した理由

この企業を転職先に選んだのは当時勢いがあった新興国向けに市場開拓を積極的に行うビジネスモデルに共感した為でした。
企業規模は前職で数万人規模の会社から数十人規模のベンチャー企業への転職でした。
ただ私も腐っても元銀行員。一応入社前にその会社のバックグラウンドは調べていました。その会社は某大企業からスピンオフして独立した経緯があり、ベンチャー企業ながら一定の顧客基盤を有していました。古典的大企業である銀行員であった私にとって、「ベンチャー」・「新興国」・「IT」といったキラキラした響きと、「顧客基盤」という安定性を兼ね備えて見えたその会社は転職する価値のある会社だと思いました。

辞めた理由

業績不振

入社したのは全社員50人程度のベンチャー企業でした。社長はもと大手企業に所属しながら自身で開発したシステムをもって古巣からスピンオフして起業したいヤリ手のワンマン社長といった人でした。
大企業からベンチャー企業への転職でしたが意外とカルチャーショック的なものは少なかったような気がします。と、言うのは当時の銀行は支店長の権限が強く、全社員数万人といいながら支店で働いていると、仕事自体は意外と支店長(=オーナー社長)の下で数十人の小所帯で完結してしまうようなところがあり、案外環境の変化に違和感はなかったような気がします。
それよりもショックだったのは、そもそも会社の経営状態が大問題でった事でした。社長の号令の下、無理な営業スタイルで色々な所でトラブルを起こしており、またシステムトラブルや見積もりについてクライアントからのクレームが止まらない状態でした。頼みの綱の「顧客基盤」も実際に中に入ってみてみればそれらのトラブルの影響で取引を切られているような状態でした。既存顧客は離れ、新規の取引も取れない状態で見る見る経営状態が悪化しているのが分かりました。
それでも「自分で決めた事だから」と何とか半年は頑張ってみましたが、最後は心の拠り所であった「新興国」向けのビジネスからは撤退という方針が決まりました。自分の中でこの会社で働く意義が完全に無くなってしまいました。
※この会社は私の退職後、実質倒産して他社に吸収されてしまいました

異業種転職に耐えられなかった

業績悪化、事業からの撤退、という状況で将来に不安を感じて転職を考える、というのはある意味王道の転職理由かと思います。今回の転職も一番の理由はそちらです。
しかし、入社以来フツフツと、確実に、自分の中で貯まっていた思いがありました。
「今までの自分努力は無駄になるのか・・・」
前職の銀行員時代では、使えない社員ながら少なくとも新入社員の義務として、財務会計の知識、金融知識、投資運用の知識、経営診断、融資判断等5年近くに渡り経験を積んできました。転職した会社では一応「財務会計システム」の導入をするに当たり”コンサルティング営業”の要素があるという事でこれらの知識を活かせると思っていました。
しかし、これは私の完全な思い違いでした。実際求められるのは商材である会計システムの知識、それを売り込む営業スキル、顧客開拓のためのマーケティングのスキル、といったものでした。銀行員時代のメインはルート営業だった自分としては、商材も営業手法も全て先輩から一から教えてもらう必要がありました。それは当然のこと。しかし、その時の自分は少なくとも5年弱の銀行員としてのキャリアもあった訳で、まるで新入社員時代に戻ったかのような扱いに対して違和感を感じるようになりました。
この違和感は、会社が悪いという事は一切無いと思います。自分自身が持っている社会人5年目、下大企業にいたというちっぽけなプライドが疼いたということだと思います。
しかし、大事なのは自分の気持ち。違和感として、不満として感じてしまったものは結局払拭することはできませんでした。

退職を決意!

入社して半年ほどたった頃、前職ボロボロになった心身もある程度回復した私も冷静に考えル事ができるようになってきました。入社する時には、「新興国にチェレンジするキラキラなIT系ベンチャー企業」だった会社のメッキは剥がれ「クレイジー営業で青色吐息の零細企業」となり、そして自身のモチベーションは「今更新人みたいな真似はしたくない」というちっぽけなプライドがチクチクしている状態でした。最後に自分をその会社につなぎ止めていたのは、自分の中で最もキラキラしていた「新興国」向けのビジネスと、それを踏み台にキャリアップする将来像でした。
なので、最後に会社が「新興国ビジネスからの撤退」を決めた時、この会社で踏ん張る理由は一つも無くなってしまいました。自分の中で退職を決めた瞬間でした。

まとめ/3つの疑問のお答えします

異業種転職する魅力って何?→新しいトレンドに乗る事も必要

私が2社目に転職した時に新興国ブームがありました。中国を中心に東南アジアの発展が著しい時でした。その当時前職の銀行も新興国への展開を初めていましたが、第一陣でその分野に配属されるのはやはりトップクラスの評価を得ている人になります。恐らく当時の自分も力量ではどんなに興味があったとしてもたどり着く事はできなかったと思います。
しかし、私は当時そのマーケットに可能性を感じ最短距離でその場に辿り着く方法として異業種転職を選びました。当時のトレンドからするとITも今後の発展が見込まれる場所ではありました。
そして2022年の今古巣の銀行業界を見てみると「海外展開」やDXを初めとする「IT化」に力を入れている状態です。そして古典的な銀行業は斜陽産業化しています。
これは社会人として20年過ごした私見も踏まえていますが、大卒の20代から定年までの60代まで(今後伸びるかもしれませんが)40年間ありますが、昨今本当に変化が激しくなってきていると感じます。20代の頃の社会情勢、ビジネス環境がその途中でガラっと変わってしまう事でしょう。
そして、刻一刻と変わるビジネス環境ですが、変わった時に活躍できるのはその直前のトレンドに乗った実績が結構大事だったりします。異業種だから、ということでは無いでですが陣の今いる場所が時代遅れになりつつあって、違う業種に可能性を感じた時に思い切って河岸を変えてみる事は長い目で見た時にメリットになるのでは無いかと思います。

異業種転職で失ったものは何? →過去に積み上げたものが無価値になってしまう

そもそも私が転職した切っ掛けの一つは前職で「落ちこぼれてしまった」という事がありました。そういった悔しい思いをしながら逃げるような転職をする人も少なからずいると思います。
しかし、辞めてから気づくものですが、例え前職で、例えば同期間の競争でパッとしない実績しか上げられなかったとしても、世間一般の広い視点から見た時、貴方が必死で前職で頑張った時間は、その業界のプロフェッショナルとして学び、鍛えられた時間だったという事は紛れもない事実となる訳です。
当たり前の事ですが、私が銀行員としてお給料を貰い、新人研修として教育された時間、銀行員の名刺で外回りをした経験は、”プロの”銀行員以外は決して経験できない事なのです。
そうです。例えどんなに不本意な結果だったとしても貴方が苦労し、過ごした時間や努力は実はとんでもない財産だったという事があります。
異業種転職をした時、その経験を全く活かせない形で転職してしまったとしたら、貴方はその貴重な財産を自ら手放し手しまう事になるわけです。そして私はまんまとその失敗を犯してしまった訳です。

異業種転職を成功させるポイントは?
  →自分のこれまでの頑張りを活かせる事って結構大事

あくまで自分の経験からの話となってしまうのですが、異業種転職で「成功(=納得する転職)」をするには転職先は、①異業種でも価値ある先(≓トレンドに乗っている業種)、②直近の自身のキャリアを活かせる職場、の二つでは無いかと思っています。
①については、キャリアに関する価値観として、「生涯現役。できるだけ良いポジションで働き続ける」というジョブホッパーの要素が少し入っているかもしれません。「私はこの業界、この会社に生涯を捧げるんだ」という言うコミットや使命感を持たれているいる人からすると不純に聞こえるかもしれません。一方、私と同じ価値観で、「会社は自分の人生を利用するもの」、「自分で自分の人生の舵を取りながら生涯キャリアアップを目指したい」という人がいらっしゃるとしたら心に留めて頂きたいと思います。世の中の流れの中企業は日々ビジネススタイルを変えつつ変化し、スポットライトを浴びる職場も同様に日々変化しています。社会人人生でできるだけ長く輝きたいと思うなら、逆に日の当たらない場所で、今後衰退する仕事に費やす時間は無駄な時間かもしれません。もしご自身がそんなトレンドを感じたとしたら思い切って働く場所を見直す事も選択肢の一つと思います。

その上で、②直近の自身のキャリアを活かせる職場を選ぶことは大事です。私は、新卒からやり直し位の業務の変化が伴う転職で、これは失敗だったと言えると思います。一方で、いくら異業種転職といっても冷静な方なら自分のスキルを最大限発揮し、短期間で新しい職場で実績を上げ、経験と積む事も可能かと思います。
一つは、「業種」。例えば私の場合前職は銀行員で金融業界に居たわけですが、この「金融業界」内の転職であれば受け入れ先も前職での業務に一定の理解があるはずですし、比較的近い感覚で業務に入って行くことができると思います。例えば、銀行から、証券会社、投資会社、ノンバンク(リース等)に転職するパターンです。受け入れ側も前職の業務やそれに伴う個人の能力も正確に理解し、扱ってもらえると思います。(私の場合、前職で実績を出せなかったので、逆にそういったことも隠し立てできないリスクもあります。)
もう一つは「職種」。全然違う業種の会社。例えば銀行からメーカーといった場合でも銀行と関係の深い、財務部等へ転職するケースです。転職先からすると本来、交渉先となる相手側(銀行)の内情に通じた人材を身内になる訳なので重宝しますし、転職者本人からすると、前職での常識やノウハウを提供するだけで転職先から評価される事にもなる為比較的スムーズな転職が可能となると思います。
私の場合、①「業種」、②「職種」の2点において全く前職のアドバンテージを活かせない転職をしてしまいました。これは反面教師として見て頂ければと思います。

絶対に守って欲しいこと

私が最初の転職をしてからもう約20年がたちました。今当時の私の境遇と同じ人たちはまだ20代の若い方だと思います。人生の先輩として絶対に守って欲しい事をアドバイスをさせて頂きたいと思います。
それは、例えば辞める会社だとしても「人間関係は大事にして欲しい」、という事です。
転職した後も社会人としての人生は続きますし、20年たっても人間関係は消えないものです。
寧ろ、20年もたつとお互い、それぞれの会社で立場を持っていたり、経験を積んでいたりしているものです。そして、偶然仕事で繋がったりするものです。
そんな時、人間関係が自分の仕事に強く影響することを感じるようになるでしょう。
なので、絶対に守って頂きたいアドバイスは、辞めるからといって急に仕事の手を抜いたり、あからさまに態度を悪くして、「あいつは最悪な奴だ」「二度と一緒に仕事をしたくない」といった悪い印象は残さないように、立つ鳥跡を濁さずの精神を忘れないで欲しいと言うこと。今自分の周りにいる人は一度は縁が切れたとしても、遠い将来のビジネスパートナーになるかもしれないという事を頭の片隅において下さい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました