こんにちは。Tsukuruです
私は、社会人歴20年で6回転職し、出向を含めると10社以上の会社で働いてきたいわゆるジョブホッパーです。勿論一生一つの会社で勤める事ができればそれはとても素晴らしい事ですが、変化の激しい今の時代中々そうはいかない事もあります。また、転職でステップアップする事も昔よりはポジティヴに受け止められるようになったのではないでしょうか?
このブログでは、私の豊富(?)な転職経験を色々な切り口でお伝えできればと思っています。「何で会社辞めちゃったの?」、「転職して良かったの?悪かったの?」「ジョブホッパーなんて、この先どうするの?」等々、転職や今後のキャリアについてお悩みの方へ少しでもお役に立てる情報をお伝えできるのでは無いかと思っています。
目次
ブラック企業に就職したらどうする?
前職をパワハラで退職した訳ですが、会社の「ブラック」度合いで言えば5社目がダントツNO1です。
「24時間365日仕事の事を考えろ」というスタイル。実際深夜12時に社長から電話やメールがバンバン飛んできて返信が遅ければ怒られるという異常事態。世の中「ブラック企業」に対して風当たりが強くなっていた時期ですが、当の社長自身が「ブラック企業上等」「訴えたければ訴えろ」と全社員を前に堂々を宣言する徹底ぶりです。
私調べですが、入社1年目離職率は8割を超えていたと思います。
このブログを読まれている方で、今、正に”ブラック企業”にお勤めの方もいるのでは無いでしょうか?私自身この会社に勤めている間、プライベートはほぼゼロで、土日もずっと仕事とういう生活を強いられており、正直な所失ったものも大変多かったです。
なので、ブラック企業はできるだけ早く脱出するのがセオリーだという事は間違い無いと思います。
しかし、私の場合は前職を1年未満で辞めた手前、又年も30代後半とどう考えても転職するには不利な状況にある事は明らかでした。このように抜け出したくても諸事情でブラック企業で働かざるを得ない方もいらっしゃると思います。少しでも前向きになれるような視点からお話できればと思います。
1) 「ブラック企業」ってそもそも何?
2) 「ブラック企業」で働いて良かった事ってあるの?
3) 「ブラック企業」でも頑張った方が良い?
辞めるに辞められず結果4年在籍(この程度でもほぼ最古参)しましたが、手前味噌になりますが、私の場合、ここで耐えた暗黒の4年半でビジネスマンとしての実力が飛躍的にアップし、結果的に私の市場価値を向上させる事になったと感じました。
1) 「ブラック企業」ってそもそも何?
→ルール無用の世界。良い所は自分で無理矢理探す
2) 「ブラック企業」で働いて良かった事ってあるの?
→あくまで個人の感想でお答えします
3) 「ブラック企業」でも頑張った方が良い?
→失ったものも沢山あります!
5社目
職業:インフラ系ファンド
業務内容:エネルギーインフラの開発
在籍期間:4年/年収初年度700万円~最大1200万円(年俸制)
入社理由
・逆転を狙った
・エネルギー業界への関心
辞めた理由
・ブラックだから(常に辞めるチャンスを伺っていた)
・やり切った
入社理由
前職をパワハラで体調を崩して逃げるように転職活動を開始しました。
既にジョブホッパーになっていた私に選択肢は本当に少ない状態でした。大手企業をターゲットに何社か応募しましたが書類は辛うじて通過するものの面接では予想通り苦戦しました。
そこで、ターゲットを大手に絞らず幅を広げて見ることにしました。当社は従業員数10名程度の投資ファンドでした。
前職ですら少なくとも上場企業系列の会社だったので、ファンドとはいえ無名の零細企業で働くということは、自分的には清水の舞台から飛び降りる位の相当の覚悟を持って応募しました。
当社では、前々職の金融機関でのスキルが活かせるようでした。待遇面では入社直後の年収は下がるものの、成果に応じてボーナスが期待できるとのこと。
「仕事はハードですよ」と言われましたが、パワハラによりメンタルをやられかけていた私は藁にもすがる気持ちで転職する事にしました。
一応、同社を選んだ前向きな理由としては、「①ファンドビジネスへの関心」です。ファンド業界は、金融業の中でもハードワークながら給与水準が高い、という風に認識されています。
前職を短期間で退職してしまって後が無い自分としては、ハードワークは受け入れざるを得ないという心境でした。一方、給与が高いといわれているファンド業界です。もしかしたら一発逆転で高給取りになるチャンスがあるかもしれない、というスケベ心が正直ありました。
もう一つの理由としては「②エネルギー業界」というキーワードです。
転職を繰り返しすぎて、ビジネスマンとして完全に根無し草になった自分に段々と危機感を覚え得るようになってきました。「エネルギー業界に特化したファンド」でエルギー分野に精通した自分になる、という目標が出来る事がこの時の自分には非常に刺さりました
因みにこの会社がブラックというか、少なくとも普通では無いことは実は求人票に分かりやすく書かれていたことを内定後に気づきました。普通であれば目にもとめないような箇所です。
「始業、午前7時~就業、午後4時」
辞めた理由
そんなブラック企業ですが何故か従業員には超優秀な社員がが入れ替わり立ち替わり入社してきました。同業他社(金融機関、投資銀行)のマネージャー級、四大商社の出身者、一流大手企業の元役員等々。ブラックではありましたが社長には不思議なカリスマ性がありました。しかし、「入れ替わり立ち替わり」というのミソで、結局入って1年も経たずに多くは社長と何かしらのトラブルが起こり辞めていく。そしてまたその代わりが入ってくるという状況でした。
ブラック社長の強烈な個性は、良い方向に出ると人を何故か引きつけるカリスマ性として発揮されていたようです。
そんな一流の人達は、例えこの会社を辞めたとしても引く手数多だったかもしれませんが、私は辞めるに辞められず、次々と入社してくる一流ビジネスマン達の指導鞭撻を受けつつ、彼らの卒業を見送る日々を続ける事になるのです。
常に辞めるチャンスを伺っていた
目の前で1年目離職率8割のペースで人が辞めていく環境なので、少なくとも定年まで働くことなどそもそも無理な話でした。しかし私にはジョブホッパーが重い足枷になっているのも事実。すぐに辞める事もできず、入社直後から転職の機が熟すのをジッと待つような日々を過ごしていました。
同僚が次々と辞めていく環境で結果的にずっと残っている私に案件が集中するようになってきました。
ピーク時には、北は北海道から南は九州まで全国津々浦々出張で案件を追いかける日々。北海道のホテルで栃木の案件の提案書を作り、移動中の飛行機で議事録を書き、帰宅後夜12時に社長からお叱りの電話。土日は翌週の仕事の準備というスーパーハードな日々を送っていました。
しかし、辞めたくても辞められない身としては、いつか訪れる卒業の日を夢見つつ、自分には「これは禊ぎ」「これは修行」と言い聞かせて過ごしていました。
しかし、パワハラブラック企業ではありました、前職のようなイジメ的なパワハラでは無かったせいか、もしくは完全に修行僧の心境に達した為か、意外とメンタルは保つことができていました
やり切った
ファンドの業態について少しご説明させて頂きます。
ファンドは英語に由来する言葉で、日本語に直訳すると「基金」や「資金」という言葉に該当します。投資の世界では、一般的に「投資を目的として集められた資金」や「集められた資金を運用するプロ集団」のことを言い、当社は主にエネルギー関連に投資する会社でした。
集めた資金を投資する訳ですが、資金は有限なので使い切るタイミングが来ます。この時有力なファンド会社は実績を元に新たに資金を集め、その資金を元手に次の投資を行います。
お耳にされた事があるかもしれませんが、この一連プロセスにおいて資金を集めたタイミングで投資方針を区別する為「1号ファンド」、「2号ファンド」などと区別して継続して投資活動を行う事が一般的です。一方で、集めた資金を上手く運用できなかったファンドは次の資金集めができなくなりそこで投資活動が終了する事があります。私がいた会社も当初順調だったのですが、エネルギー業界において脱炭素化等大規模な環境変化があり、残念ながら当社の投資方針が世の中の流れとマッチしなくなってきました。その他過去の投資案件でトラブルが発生したことも重なり、●号ファンドで打ち止めをなる事がほぼ確定となりました。
また、ファンドの業態からこのような形で業務が終了する事は決して不自然ではありません。
過去のジョブホッピングの前科を隠して転職活動に入るタイミングが到来した瞬間でした。
転職を決意
ファンドの事業が終了し、転職の大義名分ができました。
「機は熟した!」と私は満を持してと転職活動を開始する事にしました
この時、会社の新規業務は実質ストップになっていた為、これまでのストレスフルな働き方が嘘のように急に仕事に余裕ができてきました。
追い詰められていない状況という事もあって転職活動も余裕を持って企業を選ぶことができたと思います。勿論「引く手数多」という事にはならなかったのですが、精神的にも安定した状況だったので落ち着いて転職活動ができた気がしました。
後日談になりますが、退職の日に全社員向けに退職のご挨拶メールを一斉送信したのですが、何とあのブラック社長から「ご苦労様。辛くなったらいつでも戻って来いよ」的な返信がありました。
こんな事は今までなかったそうです。ポンコツながら4年(この会社では古参)頑張っていた事を陰ながら評価してくれていたのかな、と少しグッときました。有終の美を飾れたのかなと思いました。
(その後この会社は訴訟を抱えて実質倒産する事になります)
3つの疑問にお答えします
「ブラック企業」ってそもそも何?→ルール無用の世界。良い所は自分で無理矢理探す
改めてブラック企業って何か、を調べてみました。一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われているようです。
そういう意味では、私のいた会社は①と③は完全にアウトで、②の賃金不払いだけがセーフ、という会社でした。紛れも無いブラック企業でした。
と、いうのも賃金に関しては実はチャンスのある会社でした。転職当時一流の人たちは最初から高給で入っていたようですが私は年収を下げて底辺からスタートしました。辞めたくても辞められない、という事情もあったのですがある年会社の業績も良かった事もありボーナス込みで年収1200万円になった年がありました。年俸制だったので次の年には下がりましたが、目の前に人参をぶら下げられた事でモチベーションにもなりました。またハードワークでのパワハラは凄まじかったですが、一方でその張本人である社長自身が最もハードワークで働いていた姿もみていました。もし社長がふんぞり返って社員だけがヒイヒイ言っている環境であればやる気もなくなりましたが、社長自身がウルトラスーパーハードワークをしている姿を見ていると「まあしょうが無いよな」という気持ちが少しあったのも事実です。
本来3つのうち1つでも当てはまれば即退職検討だとは思いますが、あくまで「辞めたくても辞められない人」へのメッセージとしては、1つでも良い所を見つけてそこにすがるという考え方もあるのでは、と提案したいと思います。
「ブラック企業」で働いて良かった事ってあったの?→あくまで個人の感想でお答えします
結果論ですが、私の場合、この会社で4年働いた経験でこの後の転職活動が劇的にしやすくなりました。
普通経験しないレベルのブラック企業だったので、その後の転職活動での職務経歴書や面接エピソードに事欠かず、また、そこを4年耐えたということで妙な自信が生まれていました。
①離職率が高かった→退職者からオーバーワーク気味に大量の仕事を引き継いだ
元々10人足らずの小所帯なので、通常でも一人当たりの業務負荷は非常に重たくなる上に、すぐに人が辞めてしまうので残った人(私)が最初は「取りあえずつなぎで」と案件を引き継ぐのですが、結局次に引き継ぐ人がいないので、業務もスキルも担当エリアもバラバラの案件を大量を抱え込む事になりました。はっきり言ってまともにこなす事なんてできませんでしたが、エピソードはこなしただけたまっていきます。短期間で普通の働き方では得られない経験値獲得できた点は収穫でした。
②瞬間風速で年収が高い年があった
これはファンドという業態や退職者が多かった反動でしたが、ある年、年俸がボーナス込み1200万円という自分史上最高額になった年がありました。ブラック企業だから、という事と直接は関係ないのですが、退職者がおおく競争相手が少ないタイミングと会社の業績と社長の機嫌が良かったタイミングがたまたま重なったラッキーパンチだったと思います。
転職あるあるなのですが、給与交渉において前職の給与水準を基準にされる事があります。当社において入社当時はいったん下がっていましたので仮にこのタイミングで辞めていたら、その後の転職では下がる一方になったかもしれません。転職において年収の「実績」はとても大事です。今回のラッキーパンチは今後の転職において重要な転機になりました。
「ブラック企業」でも頑張るべき?→失ったものも沢山あります
私の場合は、「辞めたくても辞められない」、「結果的にラッキーパンチがあった」という個人的な理由があったので、何だか「ブラック企業も悪くないよ」みたいな記事になってしまいました。
この記事を読んで「ブラック企業だと思っても少しは頑張って見た方が良いのかな」と思って頂いた方、申し訳ありません。ブラック企業なんて関わらないのが1番です
私の場合は、「辞められない」という理由があった中、喉元過ぎればと本能的な自己防衛で過去を若干美化しているに過ぎないのです。仕事の経験も、年収アップもホワイト企業で達成できれば何の問題も無いわけです。
自分への戒めも込めて、失ったものを振り返りたいと思います。
特に家族には無茶苦茶負担を掛けており、この生活がもう少し長引けば家庭生活は完全に破綻していたかもしれません
平日:朝7時始業、深夜残業、出張多数で共働きの妻は実質1オペ状態(当時子供二人)
土日:朝7時にファミレスに行って午前中仕事、午後に1~2時間だけ子供の相手をしてまた仕事
家族サービス:旅行中もPC、携帯でメール・電話のやりとり。
ディズニーランドもオープンで入って午前中で帰る。 等々
今振り返って見ると我ながらゾッとしますが、当時はこれが当たり前で仕方無いと思っていました。
4年やってこれたのは妻が必死に支えてくれていたからかもしれません。
それでも、ディズニーランドで仕事の電話をしていた時はいい加減ドン引きしていましたね。
やっぱりブラック企業には関わらないのが一番です
絶対に守って欲しいこと
私が最初の転職をしてからもう約20年がたちました。今当時の私の境遇と同じ人たちはまだ20代の若い方だと思います。人生の先輩として絶対に守って欲しい事をアドバイスをさせて頂きたいと思います。
それは、例えば辞める会社だとしても「人間関係は大事にして欲しい」、という事です。
転職した後も社会人としての人生は続きますし、20年たっても人間関係は消えないものです。
寧ろ、20年もたつとお互い、それぞれの会社で立場を持っていたり、経験を積んでいたりしているものです。そして、偶然仕事で繋がったりするものです。
そんな時、人間関係が自分の仕事に強く影響することを感じるようになるでしょう。
なので、絶対に守って頂きたいアドバイスは、辞めるからといって急に仕事の手を抜いたり、あからさまに態度を悪くして、「あいつは最悪な奴だ」「二度と一緒に仕事をしたくない」といった悪い印象は残さないように、立つ鳥跡を濁さずの精神を忘れないで欲しいと言うこと。今自分の周りにいる人は一度は縁が切れたとしても、遠い将来のビジネスパートナーになるかもしれないという事を頭の片隅において下さい。
コメント