インターネットを見ていると広告欄に「今は転職するつもりがなくても、取り合えず登録」といった感じの転職エージェントの広告をよく目にします。
最近ではより控えめな「一社でずっと勤めるとしても、取りあえず登録」みたいなキャッチフレーズの広告も目にするようになりました。(ビズリーチとか。)
転職を6回繰り返してしまった私なりに、実際問題「今は転職するつもりが無くても、取り合えず登録」して感じたメリット、デメリットがありますのでご紹介したいと思います。
因みに直近2回の転職ではビズリーチさんを利用させて頂きました。
ありがとうございましたm(_ _)m
目次
デメリット
デメリット1:スカウトメールがやたら来る(気づけば転職活動を始めている)
私は5回目の転職の時に同僚の勧めてビズリーチさんに始めて登録しました。
ビズリーチは、「ハイクラス転職」をターゲットに、企業からの直接オファーというイメージだったので、ジョブホッパー的な自分には縁の無い世界だと何となくイメージして敬遠していました。
ただ、同じ職場の同じ同僚から「使っているよ」という話を聞くと何となく良い物なのかと思い、取りあえず登録してみることにしました。
するとどうでしょう。自分程度の人間にも日に何件かのスカウトメールを頂く事ができました。
それだけの数が来ると、ちょっと気になる求人もあったりして、しかもメールでオファーが来て、メールで気軽に返信すれば簡単に次のステップに進める事になります
最初は唯の情報収集のつもりだったので、良くも悪くも、転職に対するハードルが低くなりました。
そして、「ちょっと話を聞いてみようかな」みたいなノリでスカウトに返信するとドンドンと深みにはまって行くことにもなります。良くも悪くも、、、
デメリット2:気づいたら転職が気になってしまう(隣の芝は青い)
内容はともあれ、「ハイクラス転職なんて、、、」と思っていた自分でも、実際に大手企業から大量のスカウトメールを受け取り中身を見ると好待遇なんて事があります。
ついつい、自分の現在の状況と比べてしまい、それまで別に不満がなかったにも関わらず、急に自分が「安い給料で」、「面白みの無い仕事を」、「不遇な環境で」、働いていたのでは無いか!という錯角に陥る事になります。
何も知らなければ、今まで通り普通に働けていたものが、急に現在置かれている状況に疑問を感じ、日々の仕事に不満を感じるようになってしまうことがあります。
隣の芝生は青い、という奴ですね。
デメリット3:「取りあえず応募」は、要注意→可能性の先食い?
沢山のスカウトメールを読む内に、段々と自分もその気になって、「取りあえず」試しに応募してみたとします。
しかし!”スカウト”メールだとしても、決して内定を約束されたものでは無く、結局面接を受けても内定を貰えない、悪いと書類選考で落ちる!という事も実際にはザラにあります。
それ自体は、「縁が無かったんだな」で終わる話ですが、ここが実は一番の要注意ポイントだと感じています。
特に私のように将来転職を繰り返す(事になるかもしれない)人に取っては、自分の将来の可能性の先食いをして、将来のチャンスを無駄に潰している可能性があるのです!!
「チャンスの先食い」とは
会社を選ぶ時にひとそれぞれの優先順位があると思います。最終的に給与水準やネームバリューといった具体的な内容が決め手になることもあると思いますが、求人票をパラパラめくってみる中で、「ちょっと応募してみようかな」と思う時点では、その人のキャラクターで決まっている気がします。
例えば、若手の頃は、興味、関心、会社のイメージといった「好み」の要素、ある程度キャリアを積んだ後は自分の経験や実績やが活かせる「トラックレコード」といった人それぞれの個性に紐付くキャラクターです。
つまり、自分の「好み」が変わらなければ目指す業界や志望する企業は大体同じになりますし、「経験値」を積んでスキルの方向性が決まってくれば尚更応募先は決まってくるという訳です。
約20年に何度か転職活動をしてきた自分の経験からですが、結局自分何年経っても、途中で異業種転職などダイナミックな変化が無い限り、応募先として自分のアンテナに引っかかる先は変わらないという事です。
そして、生半可な気持ちで「取りあえず」応募して、内定を取れなかった場合や内定は貰ったものの結局内定を辞退した場合など、に”チャンスの先食い”は起こります。
過去に記念受験のつもり受けて不合格になった場合や、内定辞退をした場合。その後10年ほど何らかの経験を積んで、さらなるステップアップを求めて、転職活動を始めたとします。
そんな時にエージェントを通じて受け取る求人票やスカウトを見ても案外貴方のアンテナに引っかかるの企業は、「10年前も見たことがある企業」だったりします。もしそこが過去に応募した事のある企業だった場合、彼らは過去の転職の応募記録は残っているものです。貴方自身は「10年前の自分と今の自分は別人です」と思っているかもしれませんが、相手はそうは思ってくれません。
「また来たの?」、「前に不合格にした人だよね」といった印象が残っている為、多くの場合で応募自体を受け付けて貰えない、という事が起こりえます。
過去の軽い気持ちが将来のチャンスの芽を摘んでしまうことになるという正にチャンスの先食いが起こってしまうのです。私自身これは最大のデメリットだと思います。
メリット
さて、私の経験からデメリットを幾つかご紹介させて頂きましたが、これは明確な意思なく、言葉通り「何となく」転職サイトに登録してしまった際の失敗談になります。
明確な意思を持って戦略的に活用できればメリットも実は沢山あります。
メリット1:市場動向を掴める
転職サイトに登録すると沢山の求人票を見ることになるでしょう。
企業が転職者を募集するという事は、これから力を入れたい事業があって、でもその事業を担える人材が不足している、若しくは社内にはいないので外部から調達したいという意思の表れです。
そして、その求人動向は時代の流れを反映しています。私が新卒時代は中国や新興国ビジネス、リーマンショック前後は不動産関連、最近は再生可能エネルギー、そしてこれからはDXといった感じでしょうか。
こういった求人を眺めているとこれから発展する業界や仕事、積み上げるべきスキルの方向性が見えてくる事があります。そして自分が今いる場所が時代に取り残される危険を感じたとしたら成長できる分野に移る事を考え、その一手段として転職を検討する切っ掛けとして活用できると思います。
メリット2:自分の価値を正しく把握できる
玉石混交ではあるものの、何件かのスカウトメールが届くと、その求人票を見ることで同業他社が採用を強化している部門や今後の戦略、また応募要項から、どの程度のスペックがあればどの程度の待遇(年収)が期待できるのか、という事が分かってきます。
また、異業種からの求人票があれば、異業種の中で自分の経験やスキルを活かせる業界や分野があることを発見できると思います。
それらを俯瞰的に見ることで、自分の年齢、スキルがどの業界、分野でどの程度の待遇で求められているのか、といった市場価値を知ることができるかもしれません。
メリット3:チャンスを掴める!
転職エージェントに登録する事で、それまで自分が意識もしなかった業界の流行を知り、その中でそれまで自分が築き上げてきたトラックレコード、スキルの価値を求める企業の存在を知ることができます。
「何となく」応募する事のデメリットは先述の通りですが、相応の覚悟を持って求人票に臨み、ここで人生掛けてチャンスを掴むこともできると思います。
まとめ
インターネットを見ていて最近よく見る「今は転職するつもりがなくても、取り合えず登録」といった感じの転職エージェントの広告ですが、個人的な経験からまとめると、
①広告の字面通り「取りあえず」登録して、何となく応募したり、面接したりすると「将来のチャンス」を先食いして終わるデメリットに直面するリスクを気にする必要があります。
②相応の覚悟を持って「真面目に」登録して、受け取る求人票で市場の動向を分析し、自分の事情価値を正しく把握する事で、チャンスを掴み高見を目指せるかもしれません。
チャンスを掴むならあらゆる情報を好き嫌いなく、上手に活用する事が大事ですね!
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